北海道で准看護師に転職する方法。免許申請の窓口と札幌市の持参ルール、看護師への進学コースを解説
「北海道で准看護師として働きたいけれど、免許の手続きはどこの窓口ですればいいのか分からない」「いずれ正看護師にステップアップしたいけれど、北海道内で准看護師のまま通える進学コースはあるの?」——准看護師免許は看護師・保健師・助産師と異なり都道府県知事が交付する免許であるため、就業地や住所地が変わると申請先の窓口や手続きも変わります。この記事では、北海道で准看護師として働く際に押さえておきたい免許申請の仕組み、看護師への進学コース、給料相場を一次情報とあわせて解説します。
准看護師免許は「都道府県知事免許」。札幌市など4市は各市保健所、それ以外は道立保健所が窓口
看護師・保健師・助産師の免許は厚生労働大臣が交付する国家免許ですが、准看護師免許だけは都道府県知事が交付する免許です。そのため、北海道内で新たに准看護師試験に合格した場合や、他県から転居して北海道内で准看護師として働く場合は、免許の申請手続き先が国ではなく北海道になる点がまず押さえておくべきポイントです。
北海道保健福祉部医務薬務課によると、准看護師免許の申請窓口は住所地によって異なり、札幌市・旭川市・函館市・小樽市は各市の保健所、それ以外の市町村は最寄りの道立保健所が窓口です。新規申請の手数料は北海道収入証紙6,100円分で、必要書類は医師の診断書(発行から1か月以内)、戸籍抄本または個人番号の記載のない住民票(発行から6か月以内)、准看護師試験合格証書の写し、申請書などです。訂正・証書書換え交付は3,800円分、再交付申請は4,800円分の収入証紙が必要です。
札幌市保健所のページには「郵送での受付はできませんのでご注意ください」と明記されており、申請には本人が必要書類を持参して窓口を訪れる必要があります。北海道医務薬務課の案内資料には、准看護師試験合格後の申請時期について随時申請可能である一方、早めの申請を促す記載も見られます。手続きの詳細・最新の必要書類や申請時期の考え方は、住所地を管轄する道立保健所または札幌市保健福祉局保健所医務薬事課(電話:011-622-5162)に必ずご確認ください。
就業中は2年ごとの「業務従事者届」の提出も忘れずに
准看護師免許の申請とは別に、実際に業務に従事している間は継続的な届出義務があることにも注意が必要です。保健師助産師看護師法第33条により、業務に従事する准看護師(看護師・保健師・助産師も同様)は、2年ごと(12月31日現在の状況)に、翌年1月15日までに就業地の都道府県知事へ「業務従事者届」を提出することが義務付けられています。届出を怠ると同法に基づき50万円以下の罰金の対象となり得ます。届出は勤務先の医療機関がまとめて提出するケースも多いですが、転職や勤務先変更のタイミングでは提出先が変わることもあるため、就業地の保健所や勤務先の担当部署に届出状況を確認しておくと安心です。
准看護師と看護師の違い(早見表)
北海道内で転職先を選ぶ際、まず准看護師と看護師の基本的な違いを整理しておくと、業務範囲や給与条件のミスマッチを防ぎやすくなります。
| 項目 | 准看護師 | 看護師 |
|---|---|---|
| 免許の交付元 | 都道府県知事(北海道) | 厚生労働大臣(国家免許) |
| 業務の指示系統 | 医師・歯科医師・看護師の指示のもとで療養上の世話や診療の補助を行う | 自らの臨床判断に基づき看護を実践する |
| 平均年収(令和7年賃金構造基本統計調査) | 約427万5,000円 | 約524万7,000円 |
| 平均年齢・平均勤続年数(同調査) | 51.8歳・13.6年 | 42.1歳・9.8年 |
平均年収・平均年齢は前述のとおり厚生労働省「job tag」の令和7年賃金構造基本統計調査に基づく全国データであり、北海道に限定した公的な内訳統計ではない点にご留意ください。
北海道内の准看護師の求人動向
准看護師の有効求人倍率について、厚生労働省は看護師・准看護師・保健師・助産師を含む「看護職」全体の数値として公表しており、2024年度は2.51倍と10年ぶりの高水準になっています(都道府県ナースセンター経由の求人に基づく集計。詳しくは看護師の有効求人倍率は2.51倍。データで読み解く「今が売り手市場」の理由を参照)。准看護師のみを切り出した公的な求人倍率や、北海道に限定した公的統計は公表されていませんが、看護職全体として求職者よりも求人の方が多い状況が続いています。
求人サイトの集計(参考情報。一次統計ではない点にご留意ください)を見ると、札幌市内の求人では月収26万円台〜40万円台、賞与込みの年収で400万円台〜600万円台といった幅の給与例が見られ、地方部では病院の常勤求人でこれより低めの月給水準も見られます。実際の求人数・待遇は時期や施設・地域によって変動するため、応募検討時には最新の求人情報や各施設の募集要項を必ず確認してください。
准看護師から看護師を目指す進学コース。実務経験要件が2026年4月から5年以上に短縮
北海道内で准看護師として働きながら、将来的に看護師資格の取得を目指す場合、看護師学校養成所2年課程への進学が主なルートになります。2年課程には全日制・定時制・通信制があり、通信制は准看護師としての実務経験がある方が対象です。
ここで押さえておきたいのが、この実務経験要件の変更です。日本看護協会の案内によると、通信制2年課程の入学資格である准看護師としての実務経験は、従来の7年以上から5年(60か月)以上に短縮され、令和8年(2026年)4月1日から施行されています。厚生労働省の医道審議会分科会での了承を経た制度変更で、准看護師が概ね半年から5年程度で実技能力を習得しているという調査結果などが背景とされています。すでに施行後のため、2026年9月時点で進学を検討する場合はこの新しい要件(5年以上)が適用されます。
北海道内の通信制2年課程は限られており、候補校や具体的な入学資格・カリキュラムは学校ごとに異なるため、進学を検討する際は候補校または北海道保健福祉部医務薬務課、公益社団法人北海道看護協会に直接確認することをおすすめします。
北海道看護職員養成確保修学資金。返還免除には道内施設での就業実績が必要
進学時の資金支援として、北海道には「北海道看護職員養成確保修学資金貸付」があります。この制度の特徴は、卒業後1年以内に看護師(または准看護師)の資格を取得し、その後道が定める施設で一定期間看護業務に従事した場合に、貸付額の一部または全額が返還免除されるという設計になっている点です。埼玉県の育英奨学金のように返還免除の仕組みが明記されていない自治体もある中、北海道の修学資金は道内医療機関等での就業実績を条件とした免除ルートが用意されているのが特徴です。ただし、対象施設の範囲や免除に必要な従事期間などの詳細な条件は年度により変更される可能性があるため、貸与を検討する際は必ず北海道保健福祉部医務薬務課の最新の手引きで確認してください。
給料相場
厚生労働省 職業情報提供サイト「job tag」に掲載された令和7年賃金構造基本統計調査によると、准看護師(男女計、全国)の平均年収は約427万5,000円(月収30万3,000円、年間賞与等63万7,000円)です。平均年齢は51.8歳、平均勤続年数は13.6年となっています。同調査における看護師(全体)の平均年収約524万7,000円と比べると低い水準ですが、准看護師の平均年齢は看護師より約9.7歳高く勤続年数も長いため、この差をそのまま資格の違いによる差と解釈することはできない点に注意が必要です(詳しくは看護師の平均年収は約524.7万円。一次データで見る内訳と注意点を参照)。
北海道内の准看護師の給与水準について、都道府県別の公的な内訳統計は公表されていませんが、札幌市を中心とした都市部は求人数の多さから、地方部より高めの求人条件が出やすい傾向があります。実際の給与額は施設の種類・雇用形態(常勤・非常勤)や勤務地域によって差が大きいため、応募時には求人票に記載の給与条件を必ず確認してください。
転職のメリット・デメリット
メリット
- 札幌市を中心に求人数が多く、病院・クリニックから訪問看護ステーション・介護施設まで就業先の選択肢が広い
- 卒業後の道内就業を条件とした返還免除ルートがある北海道看護職員養成確保修学資金があり、進学の資金計画を立てやすい
- 通信制2年課程の実務経験要件が2026年4月から5年以上に短縮され、看護師へのキャリアアップの道筋がこれまでより選びやすくなった
デメリット
- 准看護師免許は都道府県知事免許のため、道外への転居時には改めて手続きが必要になる場合がある
- 免許の新規申請は札幌市・旭川市・函館市・小樽市を含めいずれも郵送不可で、本人が窓口へ書類を持参する必要がある
- 都道府県別の公的な求人倍率・給与統計が公表されていないため、北海道特有の需給状況を数字だけで把握しづらい
- 地方部では都市部に比べて求人条件の幅が狭くなりやすく、施設によって給与水準の差が大きい
転職で押さえておきたいポイント
免許の手続き先を早めに確認する
准看護師免許は都道府県知事免許であるため、申請はまず住所地が札幌市・旭川市・函館市・小樽市のいずれかの各市保健所か、それ以外の道立保健所かを確認し、必要書類・手数料・申請時期の考え方を早めに問い合わせておくことが重要です。いずれの窓口も郵送申請は受け付けていないため、本人が訪問できる日程を確保しておきましょう。
進学の実務経験要件の変更を踏まえて資金計画を立てる
看護師への進学を目指す場合、通信制2年課程の実務経験要件が2026年4月から5年以上に短縮されたことで、これまでより早い段階で進学を検討できるようになりました。北海道看護職員養成確保修学資金は道内施設での就業を条件とした返還免除の仕組みがあるため、貸与を受ける前に北海道保健福祉部医務薬務課や候補校に最新の条件を確認しておくことをおすすめします。
求人サイト・転職エージェントを併用して比較する
准看護師の求人は施設の種類や勤務地域によって業務範囲・給与体系の差が大きいため、複数の看護師転職サイトやエージェントを比較しながら、施設ごとの実態(正看護師との業務分担、夜勤の有無など)を確認したうえで応募先を絞り込むことをおすすめします。転職活動全般で失敗しないための考え方は准看護師の方必見。転職で失敗しない3つのポイントもあわせてご覧ください。
この記事の主な情報源
- 北海道「准看護師免許に係る申請」(保健福祉部地域医療推進局医務薬務課)
- 札幌市「准看護師免許の手続き」
- 北海道「看護職員養成確保修学資金の情報」(保健福祉部地域医療推進局医務薬務課)
- 日本看護協会「准看護師のための進学特設サイト」
- CBnews「看護師2年課程の入学要件、就業5年以上に短縮へ」
- 厚生労働省「保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二〇三号)(抜すい)」
- 厚生労働省 職業情報提供サイト「job tag」准看護師・看護師(令和7年賃金構造基本統計調査)
- 日本看護協会・厚生労働省 看護職有効求人倍率(2024年度、都道府県ナースセンター経由の求人集計)
制度・手続き・必要書類は年度により変更されるため、最新の情報は北海道・各養成施設の公式ページで必ずご確認ください。
よくある質問
Q. 北海道の准看護師免許の申請はどこにすればいいですか?
住所地によって窓口が異なります。札幌市・旭川市・函館市・小樽市は各市の保健所、それ以外の市町村は最寄りの道立保健所が窓口です。新規申請の手数料は北海道収入証紙6,100円分です。
Q. 免許の申請は郵送でもできますか?
いいえ。札幌市保健所のページには「郵送での受付はできません」と明記されており、本人が必要書類を持参して窓口を訪れる必要があります。他の窓口についても同様の運用が想定されるため、事前に確認しておくと安心です。
Q. 北海道内で准看護師として働きながら看護師を目指すことはできますか?
はい、可能です。看護師学校養成所2年課程の通信制であれば進学できますが、入学に必要な准看護師としての実務経験は、2026年4月1日から従来の7年以上から5年(60か月)以上に短縮されています。北海道内の候補校や北海道看護協会に直接確認することをおすすめします。
Q. 北海道看護職員養成確保修学資金は返還が免除されますか?
卒業後1年以内に看護師(または准看護師)の資格を取得し、その後道が定める施設で一定期間看護業務に従事した場合に、貸付額の一部または全額が返還免除される仕組みです。対象施設の範囲や必要な従事期間などの詳細条件は年度により変更される可能性があるため、貸与を検討する際は北海道保健福祉部医務薬務課に最新の条件を必ず確認してください。
Q. 准看護師の給料は看護師より低いですか?
厚生労働省「job tag」(令和7年賃金構造基本統計調査)によると、准看護師の平均年収は約427万5,000円で、看護師の約524万7,000円より低くなっています。ただし准看護師の平均年齢(51.8歳)は看護師(42.1歳)より高く勤続年数も長いため、この差をそのまま資格による差と解釈することはできません。
まとめ
北海道で准看護師として働くうえでまず押さえておきたいのは、准看護師免許が都道府県知事免許であり、申請窓口が住所地によって札幌市・旭川市・函館市・小樽市の各市保健所か道立保健所かに分かれる点、そしていずれも郵送申請は受け付けていない点です。将来的に看護師資格の取得を目指す場合は、2026年4月から5年以上に短縮された通信制2年課程の実務経験要件と、道内施設での就業を条件とした返還免除の仕組みがある北海道看護職員養成確保修学資金の条件をあわせて確認しておくことをおすすめします。求人選びの際は、求人サイトやエージェントを比較しながら、施設ごとの業務範囲・給与条件を確認して転職活動を進めてみてください。