京都府で助産師に転職する方法。総合周産期母子医療センター3施設と大学病院の中途採用事情
「京都府で助産師として転職したいけれど、大学病院の周産期センターで働くにはどうすればいいのか分からない」「総合病院とクリニック、助産院はどう働き方が違うの?」——京都府は総合周産期母子医療センターが3施設あり、大学病院を中心とした高度な周産期医療から地域のクリニック・助産院まで選択肢が広い一方、就業先の種類によって仕事内容や採用の仕組みが大きく異なります。この記事では、京都府で助産師として働く際の主な選択肢、大学病院の中途採用選考の要項、給料相場を一次情報とあわせて解説します。
京都府で助産師として働く主な選択肢
京都府内で助産師資格を活かして働く場合、主に次のような就業先があります。
- 総合周産期母子医療センター: 母体・胎児集中治療管理室(M-FICU)やNICUを備え、ハイリスク分娩・新生児医療を担う医療機関(後述のとおり京都府内は京都第一赤十字病院・京都大学医学部附属病院・京都府立医科大学附属病院の3施設)
- 地域周産期母子医療センター: 産科・新生児科を備えて比較的高度な周産期医療を常時提供する医療機関で、京都府内では京都医療センター・京都市立病院・京都第二赤十字病院・京都桂病院・市立福知山市民病院・綾部市立病院など府内各地に指定されている
- 一般病院・産婦人科クリニックの産科病棟: 正常分娩を中心に扱う病院・診療所
- 助産院: 助産師が開業し、正常分娩の介助や母乳育児支援、産前産後ケアを行う
- 市町村の母子保健分野・こども家庭センター: 京都市などの母子保健事業で保健指導・産後ケアに携わるケース
まずはハイリスク分娩に携わりたいのか、正常分娩を中心とした地域のお産に関わりたいのかなど、自分が助産師としてどのような経験を積みたいかを整理したうえで、就業先の種類を絞り込むとよいでしょう。
京都府の周産期医療体制と総合周産期母子医療センター3施設
厚生労働省「周産期母子医療センター一覧(令和6年4月1日現在)」によると、京都府内には総合周産期母子医療センター3施設(京都第一赤十字病院、京都大学医学部附属病院、京都府立医科大学附属病院)と、地域周産期母子医療センター14施設(京都府立医科大学附属北部医療センター、国立病院機構舞鶴医療センター、舞鶴共済病院、市立福知山市民病院、綾部市立病院、京都中部総合医療センター、国立病院機構京都医療センター、京都市立病院、京都第二赤十字病院、京都桂病院、三菱京都病院、京都済生会病院、京都田辺中央病院、京都山城総合医療センター)が指定されています。
総合周産期母子医療センターは、母体・胎児集中治療管理室(M-FICU)を含む産科病棟と新生児集中治療管理室(NICU)を備え、24時間体制で母体・新生児搬送を受け入れる医療機関です。京都第一赤十字病院は京都府の周産期医療情報システムの基幹病院として1997年に開設された歴史があり、京都大学医学部附属病院は2019年2月に総合周産期母子医療センターの指定を受けています。また舞鶴医療センターは京都府北部の地域周産期(サブセンター)として母体搬送の受け入れを担っています。
京都府の場合、総合周産期母子医療センター3施設のうち2施設が大学病院である点が特徴で、ハイリスク分娩や新生児医療の経験を積みたい助産師にとっては大学病院の産科病棟が主要な選択肢になります。一方で地域周産期母子医療センターは京都市内だけでなく福知山市・綾部市・南丹市など府内各地に分散しており、居住地に応じて通勤しやすい高度医療機関を選びやすいといえます。

大学病院の助産師中途採用選考
京都大学医学部附属病院看護部が公表している中途採用情報によると、募集職種は「専門看護師・助産師」で、看護師免許または助産師免許を有すること、臨床経験3年以上、交替制勤務が可能であることが応募資格として挙げられています。雇用形態は有期雇用職員(年度ごとの契約更新、最長5年、勤務実績により無期雇用へ転換)で、選考は書類選考・筆記試験(小論文)・面接の順で行われ、実施時期は問い合わせのうえ調整するとされています。ただし、同院では時期によって「現在、中途採用は実施していません」と案内されることもあり、募集の有無は都度確認が必要です。
京都府立医科大学附属病院看護部でも「令和8年4月1日以降採用看護師」として任期付職員(既卒者を含む)の募集が案内されています。応募資格・選考内容は実施要項に記載されるため、助産師での応募を検討する場合は看護部採用ページから最新の実施要項を確認してください。
大学病院・公的病院の中途採用は、新卒採用と異なり通年または年度途中の不定期な募集となることが多く、募集が出るタイミングを逃さないよう採用サイトをこまめに確認することが重要です。
給料相場
厚生労働省 職業情報提供サイト「job tag」に掲載された令和7年賃金構造基本統計調査によると、助産師全体(全国)の平均年収は566万7,000円(平均年齢41.2歳)、月収は38万9,900円、賞与は98万8,200円です。有効求人倍率は1.25倍(令和7年度、ハローワーク求人統計データ)となっています。
京都大学医学部附属病院の中途採用情報では、給与は学歴・経験年数に応じて決定され、夜勤手当は1回9,000円、賞与は年間約4.5か月分と示されています。大学病院・公的病院では独自の給料表が適用され、経験年数や役職に応じて昇給する仕組みが一般的です。実際の初任給・年収額は年度・職務経験年数・勤務先によって変動するため、応募時には各採用選考要項に記載の給与条件を必ず確認してください。求人サイトの集計データ(参考情報)では京都府内の助産師求人の給与水準が示されることもありますが、これは公務員・民間を問わない集計であり、一次情報ではない点にご留意ください。
助産師全体の仕事内容・キャリアパスについては助産師の転職事情を徹底解説!職場の選び方で給与も変わる?、看護職全体の求人動向は看護師の有効求人倍率は2.51倍。データで読み解く「今が売り手市場」の理由もあわせてご覧ください。近畿圏の他府県での助産師転職を検討している方は大阪府で助産師に転職する方法、兵庫県で助産師に転職する方法も参考になります。
転職のメリット・デメリット
メリット
- 総合周産期母子医療センター3施設(うち2施設が大学病院)があり、ハイリスク分娩・新生児医療の症例を積みたい助産師にとって高度医療機関の選択肢がある
- 地域周産期母子医療センターが京都市内だけでなく福知山市・綾部市・南丹市など府内各地に分散しており、居住地に応じて通勤しやすい高度医療機関を選びやすい
- 大学病院では教育・研修体制が整っており、認定・専門資格の取得やキャリア形成を支援する仕組みがある
デメリット
- 高度医療機関ほどハイリスク症例やオンコール・母体搬送対応が多く、勤務負担が大きくなりやすい
- 大学病院の中途採用は有期雇用からのスタートになることがあり、無期雇用への転換には勤務実績の評価が必要
- 京都府看護師等修学資金は北部地域や200床未満の病院・診療所等での就業を条件とした学生向けの制度で、すでに資格を持つ転職者が直接利用できるものではない
転職で押さえておきたいポイント
経験を積みたい分野で就業先の種類を選ぶ
ハイリスク分娩や新生児医療の経験を積みたい場合は総合周産期母子医療センター(京都府内では大学病院が中心)、正常分娩中心で地域のお産に携わりたい場合は一般病院・産婦人科クリニックや助産院、というように、自分が積みたい経験に応じて就業先の種類を絞り込みましょう。
大学病院・公的病院の中途採用は募集時期をこまめに確認する
京都大学医学部附属病院・京都府立医科大学附属病院の中途採用(任期付・有期雇用職員を含む)は、新卒採用と異なり通年または年度途中の不定期な募集になりがちです。「現在は中途採用を実施していない」と案内される時期もあるため、採用サイトをこまめに確認し、募集が出たタイミングで動けるよう準備しておくとよいでしょう。
公務員以外の選択肢もあわせて比較する
大学病院・公的病院の採用選考のタイミングが合わない場合や、クリニック・助産院での働き方に関心がある場合は、看護師転職サイトに登録して求人を紹介してもらう方法もあります。就業先ごとに扱う症例・オンコール体制・給与条件は異なるため、複数の求人を比較しながら検討を進めることをおすすめします。
この記事の主な情報源
- 厚生労働省「周産期母子医療センター一覧(令和6年4月1日現在)」
- 京都大学医学部附属病院看護部「中途採用募集要項」
- 京都府立医科大学附属病院看護部「募集要項・採用情報」
- 京都府「京都府看護師等修学資金貸付制度について」
- 厚生労働省 職業情報提供サイト「job tag」助産師(令和7年賃金構造基本統計調査、令和7年度有効求人倍率)
制度・募集要項・指定施設は年度により変更されるため、最新の情報は各医療機関・京都府の公式ページで必ずご確認ください。
よくある質問
Q. 京都府で助産師として大学病院の周産期センターに転職するにはどうすればよいですか?
京都大学医学部附属病院・京都府立医科大学附属病院などが実施する看護職員採用選考に応募する方法があります。新卒採用のほか、助産師を含む中途採用・任期付職員の募集が行われることもあり、応募資格(臨床経験年数など)・募集時期は施設・時期により変わるため、各病院の看護部採用ページで最新の実施要項を確認することが重要です。
Q. 京都府の総合周産期母子医療センターはどこにありますか?
厚生労働省の一覧(令和6年4月1日現在)によると、京都府内の総合周産期母子医療センターは京都第一赤十字病院、京都大学医学部附属病院、京都府立医科大学附属病院の3施設です。このほか地域周産期母子医療センターが京都市内・福知山市・綾部市・南丹市など府内各地に14施設指定されています。
Q. 助産師の給料は京都府の方が高いですか?
助産師全体(全国)の平均年収はjob tag(令和7年賃金構造基本統計調査)で566万7,000円です。京都府内の大学病院・公的病院は独自の給料表が適用されますが、実際の金額は年度・経験年数・勤務先によって変わるため、各採用選考要項で確認する必要があります。
Q. 京都府には助産師を目指す学生向けの修学資金制度はありますか?
京都府看護師等修学資金は助産師も対象に含まれますが、卒業後ただちに京都府北部地域や200床未満の病院・診療所・こども家庭センター等で就業する意思がある在学生を対象とした制度です。すでに資格を持つ転職者が直接利用できるものではないため、学費支援を検討する場合は勤務先病院独自の奨学金制度など他の選択肢を確認する必要があります。
まとめ
京都府で助産師として働くには、京都第一赤十字病院・京都大学医学部附属病院・京都府立医科大学附属病院という総合周産期母子医療センター3施設を中心とした高度医療機関、府内各地の地域周産期母子医療センター、一般病院・産婦人科クリニック、助産院など幅広い選択肢があります。特に大学病院の周産期センターはハイリスク分娩・新生児医療の経験を積みたい助産師に適していますが、中途採用は不定期な募集となることが多いため、採用サイトをこまめに確認しつつ、公務員以外の選択肢も含めて看護師転職サイトで求人を比較検討することをおすすめします。