東京都で助産師に転職する方法。都立病院機構の採用選考と総合周産期母子医療センターの求人事情
「東京都で助産師として転職したいけれど、公務員として働く方法があるのか分からない」「総合病院とクリニック、助産院はどう違うの?」——東京都は出産件数・医療機関数の多さから助産師の求人が豊富なエリアですが、選択肢が多い分、まずは働き先の種類ごとの違いを整理しておくことが重要です。この記事では、東京都で助産師として働く際の主な選択肢、都立病院機構の採用選考の要項、給料相場を一次情報とあわせて解説します。
東京都で助産師として働く主な選択肢
東京都内で助産師資格を活かして働く場合、主に次のような就業先があります。
- 東京都立病院機構: 都内の都立病院・公社病院で、産科病棟や周産期医療センターに配属される
- 総合周産期母子医療センター・地域周産期母子医療センター: ハイリスク妊娠・新生児医療に対応する高度な医療機関(後述のとおり東京都は指定施設数が全国有数)
- 国立病院機構・大学病院: 東京医療センター、東京科学大学病院などの大学病院・国立病院
- 一般病院・クリニックの産科病棟: 正常分娩を中心に扱う病院・産婦人科クリニック
- 助産院: 助産師が開業し、正常分娩の介助や母乳育児支援、産前産後ケアを行う
- 企業・行政の母子保健分野: 区市町村の母子保健事業や企業の健康管理部門で保健指導を行うケース
まずはハイリスク分娩に携わりたいのか、正常分娩を中心とした地域のお産に関わりたいのかなど、自分が助産師としてどのような経験を積みたいかを整理したうえで、就業先の種類を絞り込むとよいでしょう。
東京都立病院機構の助産師採用選考
東京都立病院機構が公表している採用情報によると、令和8年4月1日付採用の看護師・助産師(資格取得見込者を含む)採用選考の概要は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 応募資格 | 昭和57年4月2日以降に生まれた人で、看護師・助産師免許を取得済みまたは取得見込みの人(国籍不問) |
| 採用予定人数 | 看護師・助産師あわせて約20名の予定 |
| 申込期間 | 第1回:2月16日午前10時〜3月15日午後11時59分 |
| 選考日 | 令和8年4月25日または26日のいずれか指定された1日 |
| 備考 | 助産師の第2回採用選考は実施されないため、応募機会は第1回のみ |
助産師は看護師と異なり第2回採用選考が実施されない年度があるため、応募を検討する場合は申込期間を逃さないよう早めに準備しておくことが重要です。募集内容・日程は年度によって変わるため、最新の情報は東京都立病院機構の公式ページで必ず確認してください。都立病院以外にも、東京医療センター(国立病院機構)や東京科学大学病院など、都内の主要な病院がそれぞれ独自に助産師の採用選考を実施しています。

総合周産期母子医療センターが全国有数の指定数
東京都保健医療局の公表資料(令和8年4月1日現在)によると、東京都内には総合周産期母子医療センター14施設・地域周産期母子医療センター14施設・周産期連携病院14施設が整備されており、NICU病床数は合計371床(センター356床・連携病院15床)にのぼります。
総合周産期母子医療センターは、母体・胎児集中治療管理室(M-FICU)を含む産科病棟と新生児集中治療管理室(NICU)を備え、24時間体制で母体・新生児搬送を受け入れる医療機関です。地域周産期母子医療センターは産科・新生児科を備えて比較的高度な周産期医療を常時提供し、周産期連携病院はミドルリスクの妊産婦に対応します。指定施設数の多さは、ハイリスク分娩や新生児医療の経験を積みたい助産師にとって、東京都内で職場の選択肢が広いことを意味します。
東京都看護師等修学資金貸与制度
東京都は「東京都看護師等修学資金」という制度を設けており、保健師・助産師・看護師・准看護師の養成施設等に在学し、卒業後に都内で看護業務に従事する意思のある学生を対象に、無利子で修学資金を貸与しています。助産師養成課程の学生も対象に含まれており、卒業後に都内の対象施設で一定期間助産師として従事した場合に返還が免除される仕組みです。
貸与を受けるには、対象施設に在学していること、成績・心身の状況が良好であること、経済的に修学が困難であることなど複数の要件を満たす必要があります。詳細な貸与額・申込時期・返還免除の条件は東京都保健医療局の公式ページで公表されているため、申込前に必ず確認しましょう。
給料相場
厚生労働省 職業情報提供サイト「job tag」に掲載された令和7年賃金構造基本統計調査によると、助産師全体(全国)の平均年収は566万7,000円(平均年齢41.2歳)、月収は38.9万円、賞与は98.8万円です。有効求人倍率は1.25倍(令和7年度、ハローワーク求人統計データ)となっています。
都立病院機構をはじめとする都内の公的病院では、地方公務員の給料表(医療職給料表等)に地域手当が加算されるため、全国平均や他の道府県よりも高い水準になりやすい傾向があります。ただし、実際の初任給・年収額は年度・職務経験年数・勤務先によって変動するため、応募時には各採用選考要項に記載の給与条件を必ず確認してください。求人サイトの集計データ(参考情報)では都内の助産師求人は月給30万円台以上とする例も見られますが、これは公務員・民間を問わない集計であり、一次情報ではない点にご留意ください。
助産師全体の仕事内容・キャリアパスについては助産師の転職事情を徹底解説!職場の選び方で給与も変わる?、看護職全体の求人動向は看護師の有効求人倍率は2.51倍。データで読み解く「今が売り手市場」の理由もあわせてご覧ください。
転職のメリット・デメリット
メリット
- 総合周産期母子医療センター等の指定施設数が全国有数で、ハイリスク分娩や新生児医療の経験を積める職場の選択肢が豊富
- 都立病院機構等の公的病院は公務員として給与の安定性・退職金制度がある
- 都内は出産件数・医療機関数が多く、正常分娩中心のクリニックから高度医療機関まで幅広い求人がある
デメリット
- 都立病院機構の助産師採用選考は第2回が実施されない年度があり、応募機会が限られる
- 高度な周産期医療センターほどハイリスク症例やオンコール対応が多く、勤務負担が大きくなりやすい
- 人気エリアのため、希望する施設・部署に配属されるとは限らない
転職で押さえておきたいポイント
経験を積みたい分野で就業先の種類を選ぶ
ハイリスク分娩や新生児医療の経験を積みたい場合は総合周産期母子医療センター、正常分娩中心で地域のお産に携わりたい場合は一般病院・クリニックや助産院、というように、自分が積みたい経験に応じて就業先の種類を絞り込みましょう。
公務員の採用選考は申込期間を逃さない
都立病院機構の採用選考は申込期間が限られ、助産師は年度によって応募機会が1回のみになることもあります。募集要項の公表を待ってから動くと申込期間を逃すおそれがあるため、都立病院機構や志望する病院の公式ページを定期的に確認することをおすすめします。
公務員以外の選択肢もあわせて比較する
公務員試験のタイミングが合わない場合や、クリニック・助産院での働き方に関心がある場合は、看護師転職サイトに登録して求人を紹介してもらう方法もあります。就業先ごとに扱う症例・オンコール体制・給与条件は異なるため、複数の求人を比較しながら検討を進めることをおすすめします。
この記事の主な情報源
- 東京都立病院機構「【令和8年4月採用】看護師・助産師(資格取得見込者)」
- 東京都保健医療局「周産期医療とは」
- 東京都保健医療局「看護師等修学資金貸与事業」
- 厚生労働省 職業情報提供サイト「job tag」助産師(令和7年賃金構造基本統計調査、令和7年度有効求人倍率)
制度・募集要項・指定施設数は年度により変更されるため、最新の情報は東京都立病院機構・東京都保健医療局の公式ページで必ずご確認ください。
よくある質問
Q. 東京都で助産師として公務員になるにはどうすればよいですか?
東京都立病院機構が実施する採用選考に応募する方法があります。応募資格・採用予定人数・申込期間は年度により変わり、助産師は第2回採用選考が実施されない年度もあるため、公式ページで最新の募集要項を確認し、申込期間を逃さないようにすることが重要です。
Q. 東京都の総合周産期母子医療センターはどのくらいありますか?
東京都保健医療局の公表資料(令和8年4月1日現在)によると、東京都内には総合周産期母子医療センター14施設・地域周産期母子医療センター14施設・周産期連携病院14施設が整備されており、NICU病床数は合計371床です。
Q. 助産師の給料は東京都の方が高いですか?
助産師全体(全国)の平均年収はjob tag(令和7年賃金構造基本統計調査)で566万7,000円です。都立病院機構等の公的病院は地方公務員の給料表に地域手当が加算されるため全国平均より高くなりやすい傾向がありますが、実際の金額は年度・経験年数・勤務先によって変わるため、各採用選考要項で確認する必要があります。
Q. 助産師を目指す学生が使える学費支援制度はありますか?
はい、東京都は「東京都看護師等修学資金」を設けており、助産師養成施設等に在学し卒業後に都内で看護業務に従事する意思がある学生を対象に修学資金を貸与しています。卒業後に都内の対象施設で一定期間助産師として従事すると返還が免除される仕組みです。対象施設・貸与額・申込時期など詳細な要件は東京都保健医療局の公式ページで確認してください。
まとめ
東京都で助産師として働くには、東京都立病院機構をはじめとする公的病院、総合周産期母子医療センター等の高度医療機関、一般病院・クリニック、助産院など幅広い選択肢があります。特に総合周産期母子医療センターの指定施設数は全国有数で、ハイリスク分娩や新生児医療の経験を積みたい助産師にとって選択肢が豊富なエリアです。公務員を目指す場合は申込期間・選考日程を早めに確認し、公務員以外の選択肢も含めて看護師転職サイトで求人を比較検討することをおすすめします。