東京都で准看護師に転職する方法。免許申請の手続きと看護師への進学コース、給料相場を解説
「東京都で准看護師として働きたいけれど、免許の手続きは看護師と何が違うのか分からない」「いずれ正看護師にステップアップしたいけれど、東京都内で准看護師のまま通える進学コースはあるの?」——准看護師免許は看護師・保健師・助産師と異なり都道府県知事が交付する免許であるため、就業地や住所地が変わると申請先の窓口や手続きも変わります。この記事では、東京都で准看護師として働く際に押さえておきたい免許申請の仕組み、看護師への進学コース、給料相場を一次情報とあわせて解説します。
准看護師免許は「都道府県知事免許」。看護師とは交付元が違う
看護師・保健師・助産師の免許は厚生労働大臣が交付する国家免許ですが、准看護師免許だけは都道府県知事が交付する免許です。そのため、東京都内で新たに准看護師試験に合格した場合や、他県から転居して東京都内で准看護師として働く場合は、免許の新規申請・書換え交付申請の手続き先が国ではなく東京都(または他の道府県)になる点がまず押さえておくべきポイントです。
東京都保健医療局によると、東京都内に住所がある准看護師試験合格者が新規申請を行う場合、申請先は住所地を管轄する保健所です。必要書類は、准看護師免許申請書、申請等控兼事務連絡票、診断書、試験合格証書の写し、戸籍抄本または住民票(本籍地記載・マイナンバー省略版)などで、手数料は**6,400円(現金)**です。申請から免許証交付までは一定期間かかるため、准看護師試験合格後は早めに手続きを行うことが推奨されています。婚姻等で戸籍事項に変更があった場合の籍訂正・書換え交付申請は、変更日から30日以内に行う必要がある点にも注意しましょう。手続きの詳細・最新の必要書類は東京都保健医療局医療人材課免許担当(電話:03-5320-4434)、または住所地の保健所で確認してください。
東京都内の准看護師の求人動向
准看護師の有効求人倍率について、厚生労働省は看護師・准看護師・保健師・助産師を含む「看護職」全体の数値として公表しており、2024年度は2.51倍と10年ぶりの高水準になっています(都道府県ナースセンター経由の求人に基づく集計。詳しくは看護師の有効求人倍率は2.51倍。データで読み解く「今が売り手市場」の理由を参照)。准看護師のみを切り出した公的な求人倍率は公表されていませんが、看護職全体として求職者よりも求人の方が多い状況が続いています。
求人サイトの集計(参考情報。一次統計ではない点にご留意ください)では、東京都内の准看護師求人は病院・クリニックだけでなく、介護福祉施設・訪問看護ステーションなど幅広い就業先に及んでいるとされています。実際の求人数・待遇は時期や施設によって変動するため、応募検討時には最新の求人情報や各施設の募集要項を必ず確認してください。
准看護師から看護師を目指す進学コースと東京都看護師等修学資金
東京都内で准看護師として働きながら、将来的に看護師資格の取得を目指す場合、看護師学校養成所2年課程への進学が主なルートになります。2年課程には全日制・定時制・通信制の3つの通学スタイルがあり、東京都内では通信制2年課程を設置する学校(東京衛生学園専門学校など)や、准看護師として働きながら通える定時制2年課程を設置する学校(葛飾区医師会附属看護専門学校など)があります。どの通学スタイルが自分の勤務形態に合うかは学校ごとに異なるため、進学を検討する場合は候補となる学校に直接、入学定員・修業年限・通学時間帯を確認することをおすすめします。
進学にあたっては、東京都が設ける東京都看護師等修学資金貸与事業も活用できます。東京都保健医療局によると、この制度は保健師・助産師・看護師・准看護師の養成施設等または大学院修士課程に在学する学生を対象としており、准看護師の養成施設等も対象に含まれます。貸与月額は25,000円・50,000円・75,000円・100,000円の4区分から選択でき、貸与期間は正規の修業年限です。卒業後に都内の施設や東京都が指定する施設で一定年数(条件により5年または7年)従事した場合、貸与月額と貸与月数に応じて返還が免除される仕組みが設けられています。免除条件は原則として卒業直後の就職先によって判断されるため、貸与を検討する段階で卒業後の勤務先の見込みもあわせて確認しておくとよいでしょう。詳細な適用条件・申込時期は東京都保健医療局の公式ページで必ずご確認ください。
給料相場
厚生労働省 職業情報提供サイト「job tag」に掲載された令和7年賃金構造基本統計調査によると、准看護師(男女計、全国)の平均年収は約427万5,000円(月収30万3,000円、年間賞与等63万7,000円)です。平均年齢は51.8歳、平均勤続年数は13.6年となっています。同調査における看護師(全体)の平均年収約524万7,000円と比べると低い水準ですが、准看護師の平均年齢は看護師より約9.7歳高く勤続年数も長いため、この差をそのまま資格の違いによる差と解釈することはできない点に注意が必要です(詳しくは看護師の平均年収は約524.7万円。一次データで見る内訳と注意点を参照)。
東京都内の准看護師の給与水準について、都道府県別の公的な内訳統計は公表されていませんが、都市部は地域手当や求人数の多さから、全国平均より高めの求人条件が出やすい傾向があります。実際の給与額は施設の種類・雇用形態(常勤・非常勤)によって差が大きいため、応募時には求人票に記載の給与条件を必ず確認してください。
転職のメリット・デメリット
メリット
- 東京都内は求人数が多く、病院・クリニックから介護福祉施設・訪問看護まで就業先の選択肢が広い
- 准看護師のまま働きながら通える定時制・通信制の2年課程進学校があり、キャリアアップの道筋を選びやすい
- 東京都看護師等修学資金など、進学時に活用できる修学資金制度が用意されている
デメリット
- 准看護師免許は都道府県知事免許のため、転居時には改めて手続きが必要になる場合がある(籍の異動等の詳細は住所地の保健所へ要確認)
- 都道府県別の公的な求人倍率・給与統計が公表されていないため、東京都特有の需給状況を数字だけで把握しづらい
- 施設によっては看護師と准看護師で業務範囲・給与体系に差があり、就業前の条件確認が特に重要になる
転職で押さえておきたいポイント
免許の手続き先を早めに確認する
准看護師免許は都道府県知事免許であるため、新規申請・書換え交付申請のいずれも、まずは自分の住所地(または就業地)を管轄する保健所や東京都保健医療局医療人材課に問い合わせ、必要書類・手数料・所要期間を確認しておくことが重要です。
将来的な看護師への進学も視野に入れて求人を選ぶ
准看護師として働きながら看護師資格の取得を目指す場合、定時制・通信制の2年課程に通いやすい勤務形態(夜勤の有無、シフトの融通など)かどうかも、求人選びの判断材料になります。東京都看護師等修学資金の対象施設・免除条件も、進学前にあわせて確認しておくとよいでしょう。
求人サイト・転職エージェントを併用して比較する
准看護師の求人は施設の種類によって業務範囲・給与体系の差が大きいため、複数の看護師転職サイトやエージェントを比較しながら、施設ごとの実態(正看護師との業務分担、夜勤の有無など)を確認したうえで応募先を絞り込むことをおすすめします。
この記事の主な情報源
- 東京都保健医療局「医療従事者の免許」
- 東京都保健医療局「看護師等修学資金貸与事業」
- 東京都保健医療局「都内看護師等学校養成所一覧」
- 厚生労働省 職業情報提供サイト「job tag」准看護師・看護師(令和7年賃金構造基本統計調査)
- 日本看護協会・厚生労働省 看護職有効求人倍率(2024年度、都道府県ナースセンター経由の求人集計)
制度・手続き・必要書類は年度により変更されるため、最新の情報は東京都保健医療局・住所地の保健所の公式ページで必ずご確認ください。
よくある質問
Q. 准看護師免許は看護師免許と同じ手続きで申請できますか?
いいえ、異なります。看護師免許は厚生労働大臣が交付する国家免許ですが、准看護師免許は都道府県知事が交付する免許です。東京都内に住所がある場合、新規申請は住所地を管轄する保健所が窓口になり、必要書類・手数料(6,400円)も看護師免許とは別の手続きになります。
Q. 東京都内で准看護師として働きながら看護師を目指すことはできますか?
はい、可能です。看護師学校養成所2年課程には全日制・定時制・通信制があり、東京都内には准看護師として働きながら通える定時制・通信制の2年課程を設置する学校があります。進学時には東京都看護師等修学資金(准看護師の養成施設等も対象)も活用できます。
Q. 准看護師の給料は看護師より低いですか?
厚生労働省「job tag」(令和7年賃金構造基本統計調査)によると、准看護師の平均年収は約427万5,000円で、看護師の約524万7,000円より低くなっています。ただし准看護師の平均年齢(51.8歳)は看護師(42.1歳)より高く勤続年数も長いため、この差をそのまま資格による差と解釈することはできません。
Q. 東京都の准看護師の有効求人倍率はどのくらいですか?
准看護師のみを切り出した公的な求人倍率は公表されていませんが、看護師・准看護師・保健師・助産師を含む「看護職」全体の有効求人倍率は2024年度に2.51倍と、10年ぶりの高水準になっています。
まとめ
東京都で准看護師として働くうえでまず押さえておきたいのは、准看護師免許が都道府県知事免許であり、看護師免許とは申請窓口・手続きが異なるという点です。新規申請や転居に伴う手続きは、住所地・就業地を管轄する保健所や東京都保健医療局医療人材課で確認しましょう。将来的に看護師資格の取得を目指す場合は、東京都内の定時制・通信制2年課程と東京都看護師等修学資金もあわせて検討することをおすすめします。求人選びの際は、求人サイトやエージェントを比較しながら、施設ごとの業務範囲・給与条件を確認して転職活動を進めてみてください。