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専門看護師(CNS)の転職。資格要件・給料相場を日本看護協会データで解説

ナースレコナビ編集部

「専門看護師(CNS)を取得したら、どんな転職・キャリアアップができるのか」「資格取得のハードルや、取得後の給料は実際どのくらい変わるのか」——高度な専門性を武器にキャリアを築きたい看護師にとって、専門看護師は憧れの資格である一方、情報が断片的で全体像がつかみにくい資格でもあります。この記事では、日本看護協会・厚生労働省の一次データをもとに、専門看護師の資格要件、認定者数、給料相場、転職活動を進める際の注意点を整理して解説します。

大学院の教科書と看護師のイメージ

専門看護師(CNS)とは。認定看護師との違い

専門看護師(CNS: Certified Nurse Specialist)は、公益社団法人日本看護協会が認定する資格の一つで、複雑で解決困難な看護問題を持つ個人・家族・集団に対して水準の高い看護を効率よく提供するための、特定の専門看護分野の知識・技術を深めた看護師を指します。

よく似た資格に「認定看護師」がありますが、日本看護協会は両者の違いについて、認定看護師が「特定分野のスペシャリスト」であるのに対し、専門看護師は実践だけでなく相談・調整・倫理調整・教育・研究といった役割も担う、より広い視点を持つ看護師と位置づけています。認定看護師を含む看護師のおすすめ資格全般については看護師・ナースに人気のおすすめ資格ランキングでも紹介しています。

専門看護分野は現在14分野が特定されており、がん看護・精神看護・地域看護・老人看護・小児看護・母性看護・慢性疾患看護・急性・重症患者看護・感染症看護・家族支援・在宅看護・遺伝看護・災害看護・放射線看護があります(日本看護協会「専門看護師とはどんな資格ですか?」による)。

専門看護師になるための資格取得要件

日本看護協会公式サイトによると、専門看護師の認定を受けるためには、主に次の要件を満たす必要があります。

要件内容
看護師免許日本国の看護師免許を取得していること
実務経験看護師資格取得後、実務研修が通算5年以上。うち通算3年以上は専門看護分野の実務研修
教育課程看護系大学院修士課程、もしくは関連領域の大学院修士課程を修了し、専門看護師教育課程で38単位を取得
認定審査マークシート方式・四肢択一の筆記試験(40問150点満点、試験時間100分。客観式一般問題20問・状況設定問題20問)
資格更新資格の有効期間は5年。5年ごとに書類審査による更新が必要

大学院修士課程への進学が必須であるため、認定看護師以上に取得のハードルが高い資格です。多くの場合、大学院在学中は休職または退職しての就学が必要になるため、資格取得を目指す場合は、勤務先の休職制度や学費支援制度の有無も事前に確認しておくとよいでしょう。

全国の認定者数は増加傾向。2024年12月現在3,473人

日本看護協会が公表している「専門看護師 都道府県別登録者数」によると、専門看護師の認定者数は次のように推移しています。

時点認定者数(全国)
2022年12月現在3,155人
2023年12月現在3,316人
2024年12月現在3,473人

看護職全体の就業者数(厚生労働省調べで約169万人、2022年末時点)と比べると、専門看護師は依然としてごく少数の資格であり、希少性の高さがうかがえます。一方で認定者数は年々増加しており、医療の高度化・専門分化に伴って専門性を評価する動きも見られます。

専門看護師の給料相場

給料面では、専門看護師は一般の看護師より資格手当分だけ高くなる傾向があります。厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」による40〜44歳看護師の平均年収(約534万8,000円)に、日本看護協会「2022年度専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査」による資格手当の平均額(月1万1,279円、年換算で約13万5,000円)を加えると、専門看護師の年収はおおよそ548万3,000円程度と試算されます。

ただし注意したいのは、同調査によると資格手当が毎月支給されているのは専門看護師の34.1%にとどまるという点です。資格手当の有無・金額は勤務先によって差が大きく、必ずしも資格取得がそのまま収入アップに直結するとは限りません。転職先を検討する際は、基本給や役職手当を含めた総支給額ベースで比較することが重要です。看護師の給料相場全般については気になる看護師の平均年収大公開!あなたは平均より安いかも、給与アップを狙う転職の進め方は看護師の転職で給与アップするためにやるべき事!もあわせてご覧ください。

専門看護師の転職で押さえておきたいポイント

専門看護師の求人は「専門分野」でのマッチングが重要

専門看護師の求人は、一般の看護師求人と比べて絶対数が少なく、求人の公開方法は医療機関や転職サービスによって異なります。また、募集する医療機関が求める専門看護分野(がん看護・精神看護など)と、自分の認定分野が一致していなければ、そもそも応募条件を満たさないケースがほとんどです。転職サイトに登録する際は、専門看護分野・認定資格を正確に伝えたうえで、対応可能な求人があるかをキャリアアドバイザーに確認するとよいでしょう。

求人が集まりやすい領域を知っておく

看護職全体で見ると、2024年度の有効求人倍率は2.51倍と10年ぶりの高水準にあり、特に訪問看護ステーションでは4.54倍と人材確保が難しい状況が続いています。専門看護師が活躍できる在宅看護・地域看護分野は、こうした人手不足を背景に採用ニーズが高まりやすい領域といえます。詳しいデータは看護師の有効求人倍率は2.51倍。データで読み解く「今が売り手市場」の理由で解説しています。

「資格を活かせる職場か」を面接で必ず確認する

専門看護師は、実践だけでなく相談・調整・教育・研究といった役割も担う資格です。しかし配属先によっては、一般の看護師と同じ業務のみを求められ、専門性を発揮する機会が少ないケースもあります。内定を承諾する前に、専門看護師としての役割(倫理調整、多職種連携のコーディネート、後輩育成など)がどの程度期待されているかを面接で具体的に確認しておくことをおすすめします。転職活動全体の進め方は看護師転職の流れ完全ガイド、後悔しないための注意点は看護師の転職で後悔しないためにも参考にしてください。

この記事の主な情報源

制度・統計は今後更新される可能性があるため、最新の情報は各発表元の公式ページもあわせてご確認ください。

よくある質問

Q. 専門看護師と認定看護師はどちらが上位の資格ですか?

上下関係にある資格ではありません。認定看護師は特定分野の実践スペシャリストで、専門看護師は実践に加えて相談・調整・倫理調整・教育・研究といった役割も担う、より広い視点を持つ資格です。取得要件も異なり、専門看護師は大学院修士課程の修了が必須です。

Q. 専門看護師になると給料は必ず上がりますか?

資格手当が支給される場合は年収アップにつながりますが、日本看護協会の調査では毎月の資格手当が支給されているのは専門看護師の34.1%にとどまります。手当の有無・金額は勤務先によって差が大きいため、転職前に確認することが重要です。

Q. 専門看護師の求人はどこで探せますか?

一般の看護師求人と比べて絶対数が少なく、求人の公開方法は医療機関や転職サービスによって異なります。看護師専門の転職サイトに登録し、自分の専門看護分野に合った求人があるかをキャリアアドバイザーに確認するのが効率的です。

Q. 専門看護師の資格取得にはどのくらい費用・期間がかかりますか?

大学院修士課程(通常2年程度)への進学と、実務研修として通算5年以上(うち専門看護分野3年以上)の経験が必要です。大学院の学費に加え、在学中は休職・退職による収入減も考慮しておく必要があります。

まとめ

専門看護師は、大学院修士課程の修了と5年以上の実務経験が求められる、取得ハードルの高い資格です。2024年12月現在の認定者数は全国3,473人と、看護職全体から見るとごく少数にとどまります。給料面では資格手当により年収アップが期待できる一方、手当の支給率は34.1%にとどまるため、転職を検討する際は求人ごとの待遇を個別に確認することが欠かせません。専門分野を活かせる職場かどうかも含め、複数の求人を比較しながら、自分に合った転職先を見極めていきましょう。

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