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超高齢化時代を迎えた日本。病院や施設を利用する人が一気に増加することで、医療現場は慢性的に人手不足の状態にあります。
そこで働く看護師は需要が高く、お給料も高いと思われがち。しかし、実際はどうなのでしょうか?
今回は、厚生労働省の出している賃金データ「賃金構造基本統計調査」を基に看護師のお給料について解説します。
他業種に比べて看護師の年収は高め!
女性労働者の平均年収は約200万円と言われている中、看護師の平均年収に関しては、約478万円と高い水準を維持しています。
経済状況の変化にも強く、ほぼ毎年変わらない水準を維持しています。
超高齢化社会の日本においては、医療機関や施設を利用する人が減るどころか、毎年増えていて、医療の現場は慢性的な人手不足。
そのため、人員確保の為には、ある程度の給料でないと募集しても人が来ないことも関係しています。
給料に対しての仕事の内容
「きつい」「汚い」などのイメージがある看護師。仕事と実際のお給料は釣り合っているのでしょうか?
給料の内訳を見てみると、基本給はそれほど高くないのですが、手当が高いことが分かります。
特に大きいのが夜勤手当です。
こちらは働く場所にもよりますが、概ね1夜勤(16:00から翌朝9:00までとして)1万円から1万5000円程度。
週に1~2回夜勤をすると、4万円~12万円となり、かなりの額になります。
夜勤にどの程度入るかによって、給料にも大きく違いが出てくるという訳です。
しかし大半の看護師にお給料と仕事の関係を聞くと、「割に合ってない」と思っている人がほとんどです。
お給料は高いがそれ以上に仕事は過酷というのが現状のようです。
夜勤のない職場は
給与の内訳で、夜勤手当が多い事が分かりました。
しかし、夜勤は体力的にもきついし、夜勤なしではどうなんだろう?と思う人も少なくありません。
夜勤なしの職場ですと、次のような場所が考えられます。
- 外来・クリニック
- 訪問診療、訪問看護、訪問入浴
- 特別養護老人ホームの看護
- 企業看護師
夜勤をしないでも看護師の免許で働く場所は近年増えてきています。
ただし、病院で夜勤をした時の給料と比べると、年収は下がってしまいます。
つらい夜勤はしたくない!でも、ある程度お給料もほしい・・・
そんな都合のいい仕事はない!と思っていませんか?しかし、よく見てみると、実は全くない訳ではありません。
看護師の少ない地域を狙うべし
実は、都会に行くほど人が溢れていて、仕事も募集すれば誰かが来てくれる状態になっています。
地方はというと、看護師が足りず、人員不足でベッド数を減らす病院もあるほどの人手不足。
お給料を少し高く設定しても、応募が来ないという状況がざらにあります。そのため、様々な特典を付けている所が多い傾向にあります。
例えば、北海道にある利尻では、家賃が7000円~9000円の寮完備で、就職を島外からすると、最大で100万円の就労奨励金が支給される病院もあります。
また、地方の特別養護老人ホームですと、夜勤なしで働けて、都会の施設よりもお給料が高いうえ、70歳を過ぎても働いてほしいと言われて、働いている看護師さんもいます。
住む場所に拘りが無いのであれば、地方の求人も考えて見るのも、お給料アップの秘訣です。
キャリアアップでお給料アップ!
看護師の中でも、役職が上になるほど給料はアップしていきます。
病院で役職がつくには色々と大変なこともあります。(大学卒業じゃないと・・・など)ただし、「クリニックを立ち上げるので、初期メンバーで来てほしい」「主任職の席が空くから来ないか?」などのお誘いを受ける看護師も少なくありません。
管理職になると、急にお休みになる看護師のフォローをする以外は基本的に夜勤がないことが多いです。
何かトラブルがあった場合に、現場のスタッフで対応できるようなシステムを作っておけば、夜間自分に連絡が来ることも減ります。
そんな簡単に役職なんてつかないよ!と思っている方々。実はそうなんです。評価されるには、毎日の仕事に責任をもって取り組むことです。
その様子を誰かが、ちゃんと見てくれています。
そこから、お給料アップにつながる事も多くあります。
そもそも使われるのではなく、自分で始める起業ナース!!
看護師免許は、コメディカルの中でも、起業できる免許の一つです。
訪問看護ステーションを設立できます。一般企業の開業セミナーに行くと、講師のみなさん言われるのは、「年収を上げたかったら起業しなさい」です。
訪問看護ステーションを立ち上げるには、色々な準備や資金も必要となりますが、自分の会社になるのでお給料もアップします。
もちろん夜勤や待機を無くすことも可能ですし、定年もなくなります。
ただし、成果を上げられたらの話です。リスクもあることを十分肝に銘じておかなければいけません。
まとめ
今回は、看護師のお給料について解説しましたが、いかがだったでしょうか?
看護師のお給料は一般から比べると高い事が分かりました。
しかし、それは忙しさやプレッシャー、夜勤など、大変な仕事の上で成り立っています。
どのように働くかで年収はかなり変化します。しかし、自分の生活と仕事の配分で仕事が選べるため、給料をアップさせる手段が多くある職業でもあります。
今現在の年収と比較して、「平均より少し低いから給与アップしたい」、「平均より高いけど夜勤はもう嫌」と思われる方は、本記事を参考にして頂くか、看護師専門の転職サイトを利用して専任のキャリアアドバイザーにご相談する事をオススメします。