新人看護師で、一番緊張するのは、心肺停止状態の患者さんを見つけた時ではないでしょうか?
慌ててしまって、上手に手当できなかった経験は誰にでもあると思います。また、新人でなくても苦手という人は少なくありません。
そんな1次救命処置のBLSという資格をご存知でしょうか?今回は、BLSについてご紹介します。
BLSとは?
BLSとは、1次救命処置の事を指します。心肺蘇生のうち、特別な薬品や器具を使用しないものを指します。
1次救命における処置方法について、知識や技術を有していると認められた者がもらえる資格です。
看護師の付加資格は長期間学校に通うため、時間のかかるものが多く、尚且つコストが高くなる物がほとんどです。
しかし、BLSは比較的短期間で、低コストで取れる資格として注目を集めています。また、二次救命についての資格としてACLSという資格もあり、さらなるスキルアップを目指す多くの医療従事者がチャレンジしています。
資格を取得するには?
AHA(アメリカ心臓協会)と、日本ACLS協会の2つの協会で資格を運営しています。
資格取得にはそれぞれ違った条件があります。
AHA(アメリカ心臓協会)
BLSヘルスケアプロバイダーコースがあります。こちらは、看護師や医師など医療従事者でないと受けられないことになっています。
受講時間は5時間弱で、乳幼児から成人までの幅広い救急救命を人形やマネキンを使用し学びます。
受講後は、実技試験と筆記試験が行われ、合格すると認定証がもらえます。
日本ACLS協会
BLSヘルスケアプロバイダーコースがあります。AHAのガイドラインに沿って、知識と技術を学びます。
看護師や医師など医療関係者ではない方々も学ぶことができます。
こちらも幅広年齢層を多少として心肺蘇生処置について実習を行い、受講後には実技試験と筆記試験が行われます。
AHAとの違いは受講時間で、AHAが5時間弱の受講時間であるのに対し、日本ACLS協会は約7時間の受講時間が設けられています。
医療関係者ではないことから、2時間長くなっています。
BLSインストラクターコースは、日本ACLS協会のBLS取得した人が、さらなるスキルアップを求めて受験する資格です。
受講時間は約5時間で、一次救命において、プロバイダーコースよりもさらに深い知識と技術を習得します。
日本ACLS協会で行われるBLSの講習会は、事前にテキストを購入し、講習会当日までに予習を済ませておくことを推奨しています。
また当日は必ずテキストを使用しますので、忘れないように持参してください。
幅広年齢層の一次救命処置を学びますが、成人と乳幼児では処置における圧迫の力加減や抑え方などに違いがあるため、実技はかなり高度な技術が求められます。
BLS取得後の給料は?
BLS取得後のお給料は取得前とほとんど変わりありません。特別な手当てがつく会社もあるようですので、確認が必要です。
給料アップが目的というよりもスキルアップメインの資格と考えましょう。
BLSの取得後
1次救命処置は、看護師であれば使用することがあり得ます。そして、初動を間違えたり、時間がかかってしまうと、救える命も救えなくなってしまったり、その後の生活に関わる大きな障害が残ってしまうことも考えられます。
医療従事者としてBLS取得は、大きな意味を持つでしょう。取得後は、自分が安心できるだけでなく、一緒に組むスタッフにも大きな安心感を与えます。このことで、仕事に対する信頼度は高くなります。
また、1次救命処置は看護学校でも行いますが、資格として目に見える形になることは、患者さんや家族の安心度にもつながります。
まとめ
BLSの取得は手軽で、しかも、目に見えて技術をもっていることがわかる資格です。
また、看護師なら多くの職場で心肺の停止状態に遭遇することがあると推測できます。
そのため、BLSで身につく技術は自分の身も助け、患者さんや家族も助けることになります。
この機会に是非取得してみてはいかがでしょうか?