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外科病院や総合病院に行くと、必ずPT(理学療法士)やOT(作業療法士)がリハビリテーション室で患者の相手をしている光景に出会います。
彼らは男性が多いでしょうか?女性が多いでしょうか?考えてみれば、男性でも女性でも患者はその指導に向き合ってくれるものです。「私は男性のOTじゃなきゃ嫌だ」という人は、めったにいないもの。
ですが、ケアしてくれる担当が《男性看護師》か《女性看護師》かを選んでください…と聞くと、圧倒的に「女性」という患者が多いようです。
まだまだ少数派の男性看護師の存在について、考えてみましょう。
女性の多い職場は、世の中にたくさんあるが…男性看護師は悩みが多い
会社の社長や専務…といった人は圧倒的に男性が多いのに、営業の現場では圧倒的に女性が多い…と言えばスーパーマーケットや百貨店です。特に、百貨店の場合は社員、テナント社員、パート、アルバイト、と様々な働き手がいますが、どの売り場でも女性がメインで働いています。
百貨店の業態は接客業ですから、どんな売り子も身ぎれいにして、化粧は欠かせません。その中、男性社員は少数であるために、頭の先からつま先までチェックされ、評価対象となってしまいます。
男性看護師も、百貨店の男性売り子同様と考えて間違いないでしょう。常に女性の目にさらされ、立ち居振る舞いも見られています。そのため、コミュニケーションが非常に難しい…とされるのが男性看護師の特徴でもあります。
百貨店の場合は、お客さんと話をするだけで済みますが、病院の場合は患者さんのカラダに触れることも少なくありません。つまり、女性看護師とのコミュニケーションと患者(特に女性患者)とのコミュニケーションが難しい、と言われます。
そのため、世の中で最も難しい《男性職》《悩みが多い男性職》と言われているのです。
男性看護師がキャリアアップをすることはできるのか?
女性が看護職に魅力を覚える一つが「安定した職業」「一般水準より高い給与」「一生働ける仕事」…といったところでしょう。
では、男性看護師にとってはどうでしょうか?
平成26年度のある調査にこんなものがあります。「男性の平均年収額=499万円」に対し、「男性看護師の平均年収額=474万円」…なんと25万円も平均額より低いのが男性看護師だったのです。
問題は、この額だけではありません。もし企業や役所に勤めた場合、昇給がありボーナスが出る場合は多いでしょう。年功序列給与は崩れてはいますが、それでも40歳、50歳と給与額は増えていくはず。その理由は、多くの男性が女性と子供のいる家族を養っており、そのためにはそれ相応の給与を支払うのが、会社の勤めでもあるためです。
ところが、日本の病院では男性看護師を「一家の大黒柱」と見ているわけではありません。看護師長、看護部長になれば600万円、700万円、800万円ともらえる立場は用意しているところがありますが、あくまでも女性優位の社会ですから、男性が上り詰めるのはなかなか至難の業です。
女性が9割以上の社会で、男性が女性の上司になることは、病院としてはいいことかもしれませんが、うまく立ち回らないと女性看護師の一部から「面白くない」という反発も出てくることがあります。つまり、男性看護師がキャリアアップしていく…というシステム自体が、実は非常に少ない現実があるのです。
男性看護師を欲しがる病院を探す!それがキャリアアップにつながる
最近男性看護師が増えてきている…ということで、男性ならではのキャリアアップが注目されています。それが「主任」「看護師長」「看護部長」「認定看護師」「専門看護師」といった役職看護師の男性化です。
男性看護師は女性看護師よりも圧倒的に数が少ない。それとともに、結婚し家族を抱えることになれば、日々もっと勉強しなければならない…という気概が表れてくることが多くなります。女性の場合は、数が多いですから、「何年目」という経歴で同僚や先輩、部下の力を判断することができますが、男性看護師は「未知数」の力量としか見られません。
ここがポイントなのですが、男性看護師で主任になりながら、女性看護師の縁の下にいるだけの立場では、それ以上のキャリアアップが望めない可能性が高い…ということです。
どの病院でも、男性の看護師を採用することに抵抗はないはず。ですが、人事査定になると男性看護師に甘くするわけにはいかない…という声が人事担当者から聞こえてきます。実際には男性看護師はよくやっているのに、女性看護師の数が圧倒的なため、正当な評価がされにくい…というわけです。
もし、そうならば敢えて病院を変える!そのくらいの力を持つべきな時代に来ている…というのが現実なのかもしれません。
自分の力を活かしてくれる病院を探して転職を考える
キャリアアップとは、自分の看護師としての力をより向上させ、経験値と同時に給与値も上げていくことです。それによって患者へのケアをより素晴らしいものにできますし、病院全体の経営にも大きな力となっていきます。
よく考えてみれば、腕のある医師はそれ相応の給与をもらうことが出来て、看護師はそうではない…これは不思議ではないでしょうか?男性看護師が主任、師長、部長にどんどん出世してきている理由は、女性看護師のまとめ役となり、病院の居心地を良くすることに貢献してきているからでもあります。
病院自体が男性看護師の力が欲しい、そう言ってくれれば、あなたはぜひそこへ飛び込んで、自分の力を試してみることが出来ますが、どうでしょうか?キャリアアップも果たせるかもしれないし、家族へもより幸せにすることが出来るかもしれない…
全ては、一歩踏み出すこと。それが看護師転職サイトで情報を見て、エージェントから病院のリストをもらうことなのです。自分の看護師力を高め、キャリアを積む。そのきっかけに、ぜひ看護師転職サイトを利用してみてはいかがでしょうか?