目次
今働いている病院を辞めたい…、あるいはすでに転職を考えている…といった看護師の方はどのくらいいるのでしょうか?少々前ですが、2011年に調査した「看護師の離職率」という調査があります。
日本看護協会が全国の8,000以上もの病院にアンケートをしたところ、常勤看護職員の離職率は10.9%。つまり、パートや臨時職員ではなく、正社員扱いの看護師の10人に1人が病院やクリニックを辞めていることが分かりました。
中には、1年から3年以内に次々と離職してしまう方もかなりの数に及びます。こうした場合、再就職はうまくいくのでしょうか?
新卒でも10%以上が離職するケースもある
2013年3月に公表された、日本看護協会の調査によると、2010年度の調査に比べ、2011年度では看護師の離職率はかなり下がっています。例えば、栃木県の場合は2010年度に新人ナースの14.2%が離職していましたが、翌年には7.9%にまで減少しました。
ところが、新卒ではない常勤看護職員を調査してみると、例えば岐阜県では10.7%から10.8%へ増加しています。実はこの数字は全国的なもので、新人が離職していないのに常勤看護職員は離職率が横ばいか微増。
東日本大震災が起こった年ですから、各地で病院の看護師不足が起きましたが、そういったことを踏まえても、常勤看護師の離職率は毎年変化がない…と言ってもよいわけです。
20代で3回、30代までに5回…再就職ができるかどうかは回数の問題ではない
新卒看護師の離職率が下がっているのは、プリセプター制度がしっかり機能してきたから…ということが言えます。また、御礼奉公が今なお残っていることや、奨学金を得て看護大学や看護系学校を卒業している新人ナースの数が多いことも理由でしょう。
借りたお金を毎月コツコツ返しながら、看護職を頑張る…そういったモチベーションのある方は、おいそれと病院を辞めるわけにはいきません。でも、中には新人教育が手荒かったり、人間関係がキツかったりすれば、ほかの職場に興味が出て来るものです。
その結果、20代で3回、30代までで4回か5回…といった「ハードル」が噂されていますが、これはただの目安です。なぜなら、自分から転職する気がなくても病院が廃業してしまうこともありますし、カラダを壊して離職する看護師は年々増加しているからです。
結婚や出産で離職するケースは、転職に影響することは全くありませんし、引っ越しというケースもあるでしょう。つまり、現代は転職することが”マイナス”として履歴書で見られる時代ではなくなっている…と考えるべきなのです。
どういった「転職の多さ」が問題になるのか?
では、再就職が難しい看護師の転職事情を取り上げてみましょう。
例えばこんな事例です。A病院に勤務して2年、その後A病院から車で5分の距離のB総合病院に転職。その後半年後に、B病院から車で3分程度のC病院に転職…というケース。
2年→半年という期間は問題にならないことが多いでしょう。職場に合う、合わないということは誰もが経験するためです。命を預かる病院で看護師が「どうもこの病院とは合わない…」と仕事に手が付かないのは、大変な問題です。
問題は至近距離の病院を転々と移動しているケースです。隣の芝生は青い…という言葉通り、あっちこっちと渡り歩くイメージが付いてしまう。患者さんの中には「あの看護師さん、AからBに移って、今度はCにいたよ…」と観察しているケースもあります。特に、老人患者の場合は、2か所・3か所と病院を駆け回ることがありますから、不要な噂を流してしまいかねません。
実は、病院は病院内部からの問題ではなく、外からの入ってくる情報にあたふたすることが増えているのです。患者の中にはモンスター化するケースもありますし、短気な患者も少なくありません。ですから、短期間の間に渡り歩かないで済むような「的確な転職先」を見つけないといけないのです。
看護師はどんどん増えている。だから、良い就職口もだんだん減ってくる
とはいえ、すでに8回も9回も転職してしまっているという方。もちろんその中には、結婚や出産、子育て、病気、夫の転勤…などの「転職に影響なし」というものもあるかもしれません。
ですが、もし自分が病院に合わないままズルズルと看護師職を続けてきてしまったならば…ぜひ自分の力や適性を第三者に見極めてもらうことが必要になります。
看護師資格は国家資格、都道府県資格。そのために、学校時代は苦しい思いをして勉強してきたはずです。それを活かす場所がなかなか見当たらない…というのは、なにか原因があるはず。病棟でも人と交わらない時間が向いている看護師、あるいは定期健診に向いている看護師や、クリニックが適職…という方もいるでしょう。
問題は、そういった自分の適性をどうやって知るか…ということ。それを解決するのが「看護師転職サイト」です。転職サイトとは、様々な病院の情報を提供してもらうだけではありません。自分がどういった病院やクリニックならば勤められるのかを適正に判断してくれる役割もあります。
転職サイトのコンサルタントは、病院に「これは!」と思う看護師を紹介し、転職成功から半年後に手数料を貰うのが一般的。つまり、少なくとも入職して半年は病院に在職していなければコンサルタントとしての収入は得られなくなります。
自分が紹介した看護師が、短期間で辞めてしまった場合、その転職サイトは病院との信頼関係を失ってしまいます。ですから、彼らの人を見る目は大変厳しく、それでいて大変温かいのです。
看護師転職サイトは、転職歴の多い看護師にも様々なアドバイスや情報を差し伸べてくれます。確かな病院情報を得るなら、ぜひ利用すべきです。