受け待ち看護師の仕事内容と必要なスキルを徹底解説

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病院や施設によって採用されている看護方式は様々ですが、患者さん一人一人に受け持ち看護師を決めている病院がほとんどだと思います。

受け持ち看護師は、1人の患者を入院から退院までの期間、一貫して担当することをいいます。

1人の看護師が担当する患者さんの人数は病院、病棟によって異なりますが、総合病院の一般病棟だと大体3〜7人程度です。

患者さんの担当看護師が休みの日は、担当看護師の指示に従い、他の看護師が代わりに看護を行います。

この受け持ち看護方式はプライマリーナーシング、受け持ち看護師のことをプライマリーナースと呼ばれることもあります。

今回は、受け持ち看護師の仕事内容や求められるスキルなどについてご紹介します。

受け持ち看護師の運用の流れ

受け持ち看護師の運用方法、詳細をご紹介します。

  1. 患者が入院する
  2. 受け持ち看護師の決定
  3. 看護計画を立案
  4. 他職種との患者情報の共有、意見交換
  5. 退院

患者さんの退院が決定するまで、3〜5を繰り返し行います。また、病院によって、受け持ち看護師の決定方法は異なりますが、入院受けを行った看護師がそのまま担当になったり、担当患者の人数が少ない看護師が担当になったり、患者の重症度によって決定されたり、教育担当看護師が看護師の経験年数、能力に応じて教育目的で決定します。

1人の患者さんに対して、このような流れで受け持ち看護師は患者さんに関わっていきます。

受け持ち看護師の仕事内容

受け持ち看護師の仕事内容は、患者さんの看護計画の立案、看護の実施、他職種との連携、退院支援が主な仕事です。

看護計画の立案

受け持ち看護師は、担当患者さんが決まると、患者さんの病状、希望を考慮し、患者さんに合った看護計画を立案します。

看護計画を立案する度に、患者に内容を開示し、患者の思考や希望を取り入れます。

そして、日々の関わりの中で、患者の意向や病状変化等に応じて、より今の患者の状態に合った看護計画に修正することがとても重要です。

個別性のある看護計画を立案することで、患者さんの満足度は上がります。

そして、受け持ち看護師が不在、休日の時は受け持ち看護師以外の看護師が担当になります。

他の看護師が見ても分かるような看護計画の立案が必要です。分かりやすく、個別性のある看護計画を作れると、他看護師が円滑に業務をすすめることができます。

看護の実施

出勤日は担当の患者さんを受け持ちます。自分が勤務していない間の情報収集や、新たに出現した問題に対して看護計画を立案します。

そして、患者さん、患者さんの家族とコミュニケーションを取り、現在不安に感じていることや、退院後の生活で不安に思っていることについてなどを聞き、より良い看護が提供できるよう看護計画へ反映させます。

他職種との連携

患者さんの退院までの間、病院では様々な職種の人が関わります。他職種や地域連携室などとの連携が必要な時に、受け持ち看護師が患者さんの情報の共有を行い、必要であればカンファレンスにも参加します。

受け持ち看護師は患者さんの看護だけでなく、患者さんの治療やリハビリに関して、退院後の生活など様々な方面から患者さんを支援する必要があります。

退院支援

退院支援は早めに始める必要があります。退院が決まってから準備し始めるのでは、退院までに間に合いません。

例えば、家の改装が必要になったり、レンタルもしくは購入してもらう必要のある医療機器、物品があったり、介護が必要な場合は家族の誰が行うのか、介護サービスは利用するのかなど確認しなければならない事がたくさんあります。

退院してから困る事がないよう、事前に情報収集しておき、退院が近づくにつれ、外出や外泊をしてもらい、困ったことがあればそれを一緒に解決していく必要があります。

また、受け持ち患者さんが他病棟への移動や、転院が決まった場合、看護サマリーの作成が必要となります。

看護サマリーとは患者さんの情報を要約した書類であり、転棟先、転院先へ患者さんの状態を伝達するために作成します。

主な内容は①患者さんの名前、生年月日など基本情報②病名③現病歴④既往歴⑤入院時から現在までの経過⑥投与薬⑦処置内容⑧日常生活動作⑨患者、家族への説明した内容⑩キーパーソンなどです。

病院によって内容は様々で、各病院、看護サマリーのテンプレートがあると思います。

自分が患者さんを受け入れる立場だったら、何が知りたいのかを考え、理解しやすい看護サマリーの作成が必要です。

受け持ち看護師の必要なスキル

患者さんとのコミュニケーション能力

入院から退院まで一貫して同じ看護師が担当するため、患者さんと良い信頼関係を築けると、患者さんは安心して治療を受けられるし、不安などの気持ちを打ち明けやすくもなります。

退院時に、「○○さんが受け持ち看護師で良かった。」というありがたい言葉をもらえる事もあります。

患者さんに自分の看護を喜んでもらえると、自信がつきますし、モチベーションアップにもつながります。

患者さんの個別性やニーズに合った看護計画の立案、実施ができる

質の高い看護を提供するためには、個別性があり綿蜜な看護計画の立案が必須となります。

また、患者さんの病状に合った看護ができるよう、疾患、その疾患に対する看護に関しての知識を深める必要があります。

また、看護計画の立案方法に関しての勉強もしておくことも大切です。

他看護師へ患者さんの情報の伝達が分かりやすくできる

受け持ち看護師が不在の場合は、他看護師が代わりに患者さんを担当します。

その日に必要な処置や、看護する上での注意点など、的をしぼって他看護師へ伝達する必要があります。

先を予測することができる

現状だけでなく、次に必要となる看護や治療、支援を予測する能力が必要です。

例えば、病状が悪化傾向である場合、次に実施されるかもしれない治療、処置を考え、それに応じた看護計画の立案、または修正を行ったり、退院後以前と同様の生活が出来ない場合、退院が決定する前から退院支援を開始したり、次に何が起こるのかを予測できると、事前に準備ができるため質の高い看護を提供する事が出来ます。

他看護師に意見をもらうことができる

受け持ち看護師とは、その看護師だけが患者さんの看護をするということではありません。

自分1人では気付けないことや、分からないことはたくさんあります。

病棟内全体で情報共有し、自分が立案した看護計画や実施している看護に対して意見をもらうことで、より良い看護につながります。

まとめ

1人の患者に対して、入院から退院まで一貫して同じ看護師が担当するため、責任は重いですが、患者さんと深く関わることができ、信頼関係も築きやすいです。

患者さんが実施した看護に対して、感謝してくれたり、喜んでくれたりすると、やりがいを感じることができるし、モチベーションも上がります。

受け持ち看護師の仕事内容、必要なスキルを理解し、より質の高い看護を提供する事ができるよう頑張ってください。

 

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