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看護師の転職先の中で人気の高い訪問看護。ゆっくり一人と向き合えるからという理由で希望している人が多いのではないでしょうか?
ただ、一人で対処しなくてはいけない事が多そう、知識や技術がないとできないのでは?といった不安も良く耳にします。
今回はそんなイメージのある訪問看護について、仕事内容や気になる給与について解説していきます。
訪問看護ってどんな仕事なの?
訪問看護の仕事は、住み慣れた場所、在宅で暮らしていて、病気や障害を持った方を対象に、安心した療養生活が送れるよう看護ケアを行うサービスとなります。
在宅で生活する方が対象の為、小児からターミナル期の方々まで年齢層は様々です。
病気に関しても、認知症から重度心身障害までこちらも様々なものになります。
対象の科や年齢が別れていない分、幅広い知識と技術が必要になります。
具体的に1日の流れはどんな感じ?
一般的は訪問看護の1日の流れは以下のようになります。
- 8:30
- 出勤・1件目のお宅に移動
- 9:00
- 訪問開始(1件目)
- 10:00
- 訪問終了・記録、2件目への移動
- 10:30
- 訪問開始(2件目)
- 11:30
- 訪問終了・記録、事務所へ帰社
- 12:00
- 休憩
- 13:00
- 3件目のお宅へ移動
- 13:30
- 訪問開始(3件目)
- 14:30
- 訪問終了・記録、4件目へ移動
- 15:00
- 訪問開始(4件目)
- 16:00
- 訪問終了・記録、事務所へ帰社
- 16:30
- 書けなかった記録を記入したり、書いた記録のファイリング、ケアマネへの報告や上司への相談。明日訪問する方々の準備など
- 17:30
- 退社
スタンダードな訪問の時間帯は上記のようになります。1日3~4件の訪問が一般的です。
ただし、あくまで一般的な流れであって、訪問時間が30分の方もいれば、90分の人もいるので、実際はきれいに時間を区切って訪問出来ることはあまりありません。
日によって変わる事が多いです。また、直行直帰OKの所もあります。
多くのステーションは土日や祝日をお休みにしている所が多いです。
24時間待機の電話を持たなくてはいけない所も多く忙しいステーションも沢山存在します。
最近では、訪問看護ステーションが有料老人ホーム内に設置されていて、外には行かず、老人ホーム内の個人宅への訪問のみをするステーションや病院付属で、病院から退院した方のみを訪問するステーションも存在します。
訪問看護の仕事内容ってどんな事するの?
仕事内容は、利用者の状況で変わります。一般的には以下のような事を行います。
- バイタルサインのチェック
- サーチ測定
- 全身状態の観察
- 内服薬のチェック、管理
- 創部の処置
- 排便コントロール・浣腸
- 受診の助言
- 血糖測定、インスリンの管理
- 清拭や入浴など保清
- ご家族の状況の確認、助言
- 緊急時の対応
- 体操やROM
- 栄養の評価
- 病院との治療に関する調整
- ケアマネとの連携
- ターミナルの看護
一般的なものだけでも多岐に渡ります。その他に、担当者会議への参加、月1回の医師への報告書の作成や看護計画の作成や評価、他サービスとの調整、お客様獲得の営業など事務的な仕事も多くあります。
訪問に行くのは基本一人ですが、何かあった場合は上司に相談したり、担当ケアマネに相談したりと、窓口も準備されていますので、一人でなんでもしなくてはいけないという事はありません。
もし、一人で解決してという職場があったら、そこで働くことは避けるべきでしょう。
給与面は?高いの?安いの?
給与に関しては、日勤のみの外来と同じくらいの給与になる所が多いです。
夜勤手当が無い分、病棟勤務より給与が下がってしまいます。また、事業所によって給与のバラつきが多くなっています。
看護師の社長が多いので、人件費に対する考え方にバラつきがあり、給与の幅が大きくなっています。年収で300万前半から400万後半と、高い所もあれば、低い所も存在します。
カレンダー通りの休みの所が多く、ゴールデンウィークやお正月もお休みとなる所も多いので、その分で考えると、給与としては申し分ないのではないでしょうか?
また、出来高制をとっているところもあり、1件30分だと記録込みで2000円などといったケースや、基本給は設定されているが、訪問件数に応じて手当が加算される仕組みをとっている事業所もあります。
事業所によって色々な形態があるのでしっかり確認することが大切です。
給与を高くする方法は無いか?
訪問看護ステーションは看護師の免許を使って起業できる権利ビジネスになります。やはり誰かに雇われて給与をもらうより、自分で行ったほうが収入は高くなります。
起業に関しては看護師の人数が常勤換算で2.5人以上や法人格を有するなどの条件が沢山あります。自分で行うにはそれなりの学習が必要で、リスクも負うことになるので、覚悟も必要になります。
そこまでしたくないけど、という方は、管理者を募集している所もあるので、その立場になるとお給料も一般で働くよりは確実にアップします。しかし、それには、介護保険法の勉強や、各種公費の勉強、介護保険や医療保険の請求方法など学ばなくてはいけない事が多く、やはり学習無くして給与のアップは無いでしょう。
まとめ
現在、国は施設不足から、在宅での療養を推進しています。家で暮らしたいというニーズは高いので、在宅サービスの一つである訪問看護の需要はまだまだ増えていくでしょう。
病院は病気を治す所であるのに対し、在宅は生活を継続する所になるので、生活に添った看護をしたい方にはピッタリの職場ではないかと思います。