看護師の取れる資格で糖尿病療養指導士という資格と、糖尿病認定看護師という資格があります。
どちらも糖尿病についての資格になりますが、糖尿病大国である日本ではこの二つどちらかの資格を持っていればとても重宝されます。
ですが実際にはどちらの資格が有益なのか?
また、資格に違いがあるのか?
今回は糖尿病療養指導士、糖尿病認定看護師という二つの資格を比較し、どちらが有益な資格か徹底検証します。
糖尿病療養指導士とは?
糖尿病療養指導士とは、糖尿病の専門的知識をもって、糖尿病患者に対し、医師の指示の元、療養指導を行うことのできる資格です。
資格所得には下記のような条件があります。
- 看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士のいずれかの資格を有していること。
- 日本糖尿病学会専門医もしくは、日本糖尿病学会の会員で糖尿病の診療と療養指導に従事している常勤の医師の指導の下で働いていること。外来で糖尿病患者の診療が恒常的に行われており、糖尿病の患者教育や指導教育が恒常的に行われている医療施設で、過去10年以内に2年以上継続して勤務しており、糖尿病患者の療養指導業務を通算1,000時間以上していることが必要です。
- 糖尿病療養指導の自験例が10例以上あること。
- 日本糖尿病療養指導士認定機構が開催する講習会を受講し、受講終了証を取得している。
以上4点が必要条件になります。
看護師しかなれない資格ではないのが特徴です。
糖尿病認定看護師とは?
看護師として5年以上の実践経験を持ち、日本看護協会が定める615時間以上の認定看護師教育を修め、認定看護師認定審査に合格することで取得できる資格です。
審査合格後は認定看護師としての活動と自己研鑽の実績を積み、5年ごとに資格を更新しています。
認定看護師の中の種類の一つに糖尿病認定看護師があります。
要件は下記になります。
- 日本国の看護師免許を有すること。
- 看護師免許取得後、実務経験が通算5年以上でかつ3年間はその専門分野の業務にあたっていること。
- 認定看護師教育機関終了。教育期間:6ヶ月以上、授業時間の総時間数615時間以上連続した昼間の教育である事が原則。
- 認定審査に合格が必要。
- 合格後登録必要。
- 5年ごとに更新。看護実践の書類審査。
要件を比較してみても、まず、看護師しか取れない資格なのか?
他の職種も取れる資格なのか?で大きく違います。
また、認定看護の方は、教育機関での教育を受ける必要があり、その期間も6か月以上となっています。
仕事の違いはあるのか?
糖尿病療養指導士は、基礎資格が看護師以外もある為、医療行為は行わず、医師の指示の元、療養指導を行います。
一方、糖尿病認定看護師は療養指導や、血糖コントロール、糖尿病足病変に対してのフットケアも実施します。
また、病棟などの枠を超えて、地域への活動も行います。
基礎資格が看護師なので、医療行為を行っていくところが大きく違う特徴となっています。
認定看護師になると看護外来に関わることができますから、糖尿病の外来で患者さんの相談に乗り、また、病院側からの相談に応じるといったように、仕事の量が増えていくのです。
そして、医師の指示の元ではなく、医師と共に議論し、一緒に治療にあたっていく立場になります。
有利な資格はどっち?
今現在では、出来ることの幅が広いのは、糖尿病認定看護師となります。
糖尿病療養指導士の仕事もできて、尚且つ、プラスでフットケアの医療処置、地域への活動なども行うことができます。
給与に違いはある?
お給料は、糖尿病認定看護師の方が高いイメージがあるかもしれませんが、実は変わらないと言った人が全体の7割になります。
糖尿病療養指導士も同様にお給料が上がる職場はそんなに多くないようです。
まとめ
仕事の幅で言うと、糖尿病認定看護師が一歩リードしていますが、6か月も会社を休んで、教育機関に通わなくてはいけないことを考えると資格を取るまでのハードルは高いでしょう。
また、お給料アップも今は見込めない状況なので、資格を取るためにかけた金額を回収できるかは微妙な状態です。
よって、今はまだ甲乙がつけがたいという状態です。
しかし、糖尿病患者がこの先増加していく事は間違いないので、これからどう変わっていくかは未知数だと言えます。
それに、どちらにしろ知識や技術アップは確実なので、患者さんにとってはとても有益となる事でしょう。
そう考えると、今のうちにスペシャリストを目指すという手もあると言えるのではないでしょうか。