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糖尿病療養指導士という看護師資格をご存知でしょうか?
近年、食生活の欧米化から、糖尿病患者に加え、糖尿病予備軍とされる人が増加傾向にあります。
医師のみの療養指導では足りず、専門的なコメディカルが必要となり、糖尿病療養指導士が誕生しました。
糖尿病患者の多い日本では、非常に注目を集めている資格の一つであり、この資格保持者は価値ある存在として重宝されます。
今回は、糖尿病療養指導士になるためのポイントを詳しくご紹介していきます。
糖尿病療養指導士ってなに?
日本糖尿病療養指導士(CDEJ)という資格を聞いた事はあるでしょうか?
まだ、あまり知られていない比較的認知度の低い資格だと思います。
この日本糖尿病療養指導士は、日本糖尿病学会、日本糖尿病教育・看護学会、日本病態栄養学会が母体となって設立した、日本糖尿病療養指導士認定機構が認定先になります。
糖尿病の専門的知識をもって、糖尿病患者に対し、医師の指示の元、療養指導を行うことのできる資格になります。
どうやったら糖尿病療養指導士の資格をとれるのか?
- 看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士のいずれかの資格を有していること。
- 日本糖尿病学会専門医もしくは、日本糖尿病学会の会員で糖尿病の診療と療養指導に従事している常勤の医師の指導の下で働いていること。外来で糖尿病患者の診療が恒常的に行われており、糖尿病の患者教育や指導教育が恒常的に行われている医療施設で、過去10年以内に2年以上継続して勤務しており、糖尿病患者の療養指導業務を通算1,000時間以上していることが必要です。
- 糖尿病療養指導の自験例が10例以上あること。
- 日本糖尿病療養指導士認定機構が開催する講習会を受講し、受講終了証を取得している。
以上4点の条件が必要になります。(日本糖尿病療養指導士認定機構HP抜粋)
受験申請書類を11月中旬から12月上旬にかけて提出し、受験資格審査に合格すれば、翌年2月中旬頃までに発送される受験票を持って、3月の第一日曜日、もしくは第二日曜日に各会場で開催される試験を受験できます。
審査方法・試験内容
試験はマークシート方式で、150問出題。出題は糖尿病療養指導ガイドブックに沿って出題されます。
2800円程度で売られています。こちらは毎年新しいものが発売になるので注意が必要です。
また、申し込み時に自験例を10例提出します。合格判定は看護師同様で、その年の基準点が決められ、それを上回った人と、申し込みの時に提出する自験例の採点が合格基準に達していることが条件になります。
どちらもブラインド方式での採点になっています。
自己採点に自信が無くても、合否判定の通知が来るまではわからないという事です。
試験会場
受験会場は、札幌、仙台、横浜、名古屋、京都、岡山、福岡の全国7会場です。
受験料は税込20,000円です。諸事情により会場を変更する場合もあるようです。
試験は10:00~12:00まで、昼休憩を挟んで13:30~15:30です。
やっぱりハードルが高い?気になる合格率は?
2011年に行われた試験では90%の合格率でしたが、近年は75%前後と難易度が上がっているようです。
因みに、合格率の高い職種は薬剤師や臨床検査技師が高くなっています。
試験結果は4月末から5月初旬に受験者全員に郵送されます。
また、日本糖尿病療養指導士認定機構のHPにも掲載されます。
日本糖尿病療養指導士としての主な活躍の場
主に、糖尿病専門の科がある病院などでは重宝する資格です。
ただし、扱いに関しては、病院ごとに違いがあるので注意が必要です。
資格に対し、手当を付ける所もあれば、資格取得後も今までと変わらない業務内容の病院もあるようです。
手当が無いからと言って無駄にはなりません。
専門的な知識を有したことで、患者さんへの恩恵は十分にあることでしょう。
まとめ
これからの日本を考えたときに10人に1人と言われる糖尿病患者の増加は深刻な問題となります。
増加した患者を支えることの出来る糖尿病療養指導士の資格は、様々な専門・認定ナースの制度が確立されている中でも、需要が高くなっていく資格の一つです。
取得に際して資格要件などはありますが、検討してみてはいかがでしょうか?