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現在、10人に1人は糖尿病、もしくは糖尿病予備軍と言われる時代になっています。
テレビ番組でも糖尿病に関する情報が多く放送され、インターネットでは糖尿病とキーワードを入れるだけで、情報を得ることができます。
しかし、その情報の中には、糖尿病治療では行ってはいけない間違った情報も多くあります。
医療関係者は記事を見た時点で間違った物か判断することは容易にできます。
しかし、一般の方々はそれを判断することは難しく、間違った情報を正しいと思い込み、実践してしまい、病気を悪化させてしまう事もあるようです。
こうしたときに看護師の指導はたいへん重要となってきます。
今回は糖尿病治療の中でも、一般の人が勘違いしやすい「食事」に関しての指導で注意する点をまとめていきます。
糖尿病患者への食事指導のポイント
1、生活環境を知る
食事指導をする前に、患者の生活環境を知る必要があります。
それはなぜか?
理由は患者の環境によって指導内容が異なるからです。
誰が食事を作るのか?
食事の準備をするのが誰なのかで大きく変わってきます。
例えば一人暮らしの高齢男性の場合、今まで食事の準備を妻が行ってきて、自分ではやったことが無いという状況が考えられます。
自分で食事を準備する事はできるが、偏った食生活になってしまうなど、環境によってガラッと変わってしまいます。
糖尿病にとって食事のコントロールは長い間、継続して行わなくてはいけない事の一つなので、いかに継続できるように環境を整えるかを考えて指導しましょう。
2、糖尿病患者がどの程度糖尿病についての知識をもっているのかを知る
情報過多の現代において、実は情報弱者と呼ばれる人も少なくありません。
また、情報があるが、何のエビデンスも無い情報を信じ込んでしまっている人もいます。
現在、糖尿病について、どの程度理解をしていて、間違った情報を信じていないか、チェックする必要があります。
3、食事の知識を付ける
食事は、その人の活動量や年齢、性別などによって適正が変わってきます。
医師の指示をよく理解し、その人にあったエネルギー量の食事が出来るように指導しましょう。
また、1日3食はしっかりと必ず食べるように伝えて下さい。
「糖尿病は食べなきゃよくなる」と言った間違えた考えの人も少なくありません。
バランス良く食事をとることが、病気を悪化させないことに繋がるという事をしっかり伝えましょう。
栄養のバランスが偏らないような食事を心がけられるように患者と良く話し合って下さい。
また、食品交換表の使い方を覚えてもらいましょう。
食事療法の基本は繰り返し何度も行う必要があります。
患者さん自体が説明できるようになるまで行いましょう。
4、外食時の事もしっかりと考える
今は、家で作るよりも安く手軽に外食ができる時代になってきました。
そのため、昔と比べると外食をする率が格段に上がっています。
しかし、外食は味が濃く、カロリーも高めになる事が多いです。
看護師は、患者が外出先で食事管理が出来るように外食のメニューを参考にしてどう選ぶかを一緒に考えましょう。
また、外食は楽しみの一つでもある為、出来るだけその楽しみが継続できるように考えましょう。
5、家族の理解も得られるように指導する
家族と同居、近くに住んでいる場合は家族の力を借りることも多くなります。
本人だけでなく、協力している家族も食事療法について学ぶ必要があります。
例えば、認知症の方にケーキが1個出たとします。しかし、1個は多いので半分残して欲しい。そんなときに「半分とっておきましょう」といって冷蔵庫にしまってしまうより、家族がおいしそうだから、半分にして一緒に食べようと言って一緒に食べたほうが自然に半分に出来るなどのちょっとしたテクニックも参考にしてもらうと良いでしょう。
まとめ
糖尿病の食事指導のポイントについてお話ししました。
糖尿病患者にとって、食事は楽しみの一つでもあります。
その分、コントロールには我慢も必要になってきます。
看護師はその人にあった個別性を考えて、食事指導をしなくてはなりません。
そうしないと長続きしないからです。
無理なく長続きできるように、しっかりとご家族、患者様本人と関わっていきましょう。
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