新人看護師のみなさん、病棟には慣れましたか。実際の現場での看護は想像していたものと違ったり、覚えることが多かったりと、大変な日々を過ごしていると思います。
申し送りや先輩看護師同士の会話で、よく専門用語や略語を耳にすると思います。
実際によく使用されている専門用語、略語を集めてみました。
あ行
- IM(あいえむ):筋肉注射(intramuscular)
- 噯気(あいき):げっぷ
- IC(あいしー):インフォームド・コンセント(Informed Consent)患者、家族への病状や方針説明とそれを受けた上での合意
- IV(あいぶい):静脈注射。intravenousを略してiv
- IVH(あいぶいえいち):中心静脈栄養法(Intravenous Hyper-alimentation)経口摂取が出来ない場合に、心臓に近い中心静脈にカテーテルを挿入し、高カロリーの点滴を投与すること
- アッペ:盲腸(appendicitis)
- アストマ:喘息(asthma)
- アナムネ:既往歴(anamneses)過去の病歴の聞き取り
- アプニア:無呼吸(apnea) 呼吸が10秒以上停止すること
- アレスト:心停止の状態
- アンビューバッグ:マスクを顔に装着し、バックを押して換気を行う医療機器。これは商品名で、一般名はバックバルブマスクと言う
- アンプタ:切断、または切断手術(amputation)
- in・outバランス:水分出納のこと。Inは水分や点滴など体の中に投与したもの、outは尿や汗、出血などのこと
- うっ血:身体の一部分に血液がたまった状態のこと
- ウロ:泌尿器科
- エアリーク:胸腔ドレーン中に水封ボトルに気泡がみられること
- SAH(えすえーえいち):クモ膜下出血
- ST(えすてぃー):言語聴覚士
- エピ:エピネフリンの略称。アドレナリンのことである。アドレナリンは英名、エピネフリンは米名
- 延食:治療や検査のため食事摂取を延期すること
- ENT(えんと):退院
- エンボリ:塞栓術のこと。エンボリズム(embolism)で、血管の塞栓症の意味であり、エンボリゼーション(embolization)で、塞栓術という意味
- 嘔気(おうき):吐き気
- 嘔吐(おうと):食べた物をもどすこと、吐くこと。
- OTC薬品:医者から処方された薬ではなく、薬局やドラッグストアで購入できる薬のこと
- オストメイト:人工肛門、人工膀胱保持者のこと
- オーベン:指導医、上司
- オルト:整形外科(orthopedic)
- オペ:手術(operation)
- お見送り:亡くなった患者さんを出口から送り出すこと
か行
- 外果(がいか):外側のくるぶし
- 咳嗽(がいそう):咳のこと
- 覚醒(かくせい):目を覚ましている状態
- 喀痰(かくたん):気道内の分泌物
- カテラン針(かてらんしん):間接腔内、心腔内、局所麻酔など身体の深部に注射するときに使用される針
- 痂皮(かひ):かさぶた
- カフ圧:気管チューブや血圧計などのカフの圧
- カマ:酸化マグネシウム(下剤)の略語
- カルチ:癌
- 含嗽(がんそう):うがい
- 吃音(きつおん):言葉を発する際に詰まったり、同じ言葉を繰り返したり、聞き取りに困難さがある状態
- 吃逆(きつぎゃく):しゃっくり
- ギネ:産婦人科のこと
- 禁忌(きんき):してはいけないこと
- クランプ:鉗子などでドレーン類を挟んで流出を一時的に止めること
- 眩暈(げんうん):めまい
- コアグラ:凝固した血液のこと(coagulant)の略
- ゴート:通風
- コンタミ:コンタミネーションの略。汚濁、混入を意味する
さ行
- サクション:吸引のこと
- 嗄声(させい):しわがれた声
- CPR:心肺蘇生
- GE:グリセリン浣腸
- シバリング:体温の回復を主な目的とした、無意識に生じる身震いのこと
- 心マ:心臓マッサージ
- ステート:聴診器
- ステる:死亡すること。ドイツ語の(terben)の略
- ストマ:人工肛門
- 喘鳴(ぜんめい):呼吸の際にゼイゼイ、ヒューヒューと雑音を発するもの。気道の一部が狭くなっていることが原因。
- ゼク:解剖を指す
た行
- タキる:頻脈。(tachycardia)の略
- TZ(つっかー):ブドウ糖のこと
- TIA(てぃーあいえー):一過性脳虚血発作
- div(でぃーあいぶい):点滴静脈内注射
- DM(でぃーえむ):糖尿病(Diabetes Mellitus)
- デクビ:褥創のこと
- トランスファー:移動動作のこと
な行
- ナート:縫合すること
- ネーベン:研修医のこと
は行
- VS(ばいたるさいん):バイタルサインの略
- BS(びーえす):血糖値(Blood Sugar)
- P(ぴー):精神科(psychiatry)の略。「プシ」と言うこともある
- フラッシュ:チューブ等に溜まった液を押し込む行為。
- フラット:心拍数が0で、心電図モニターの波形が横1線である状態
- ブラディー:徐脈(bradycardia)
- ヘパロック:点滴を中断する際にヘパリンをチューブ内に満たして、凝固を防ぐ
- ヘマトーマ:血腫のこと
- ヘモ:痔のこと
- PEG(ペグ):経皮内視鏡的胃ろう増設術(Percutaneous Endoscopic Gastrostomy)
- ポリペク:内視鏡を使って、焼き切るポリープ切除術
ま行
- マーゲンチューブ:胃管チューブ
- マルク:骨髄穿刺
- マンマ:乳癌
- ムンテラ:医療従事者が診断や治療方針について患者、その家族に説明し理解してもらうこと。
- ムンプス:流行性耳下腺炎。おたふく風邪のこと。
- メタ:癌の移転を指す
や行
- 夜間せん妄:夜になると興奮し、騒ぎだすこと
ら行
- ライン:点滴の管のことで、ルートともいう
- 流涎(りゅうぜん):よだれを垂らす様子
- るい痩(るいそう):はなはだしく痩せた状態
- レシピエント:臓器移植や輸血などを受ける人のこと
- レジデント:研修医のこと
- レート:心拍数のこと
- レベル:意識レベルを指す
- ロイコ:白血球のこと
- ロック:静脈内に留置しているカテーテルの不使用時に、カテーテルの閉塞を予防するため、ルート内にヘパリンか生理食塩水で満たすこと
まとめ
今回は新人看護師さん向けに、どの病棟でもよく使われる専門用語、略語をまとめてみました。
医療、看護用語はまだまだたくさんあります。科によって、より専門的でマイナーな用語を使ったりもします。
分からない時は正直に先生、先輩看護師に聞くのも大切なことです。
この用語集がお仕事、勉強にお役に立てれば幸いです。
新人看護師さん、毎日大変でしょうけど、こつこつ勉強して素敵な看護師になってください。